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2005年3月27日 なんてたって、“カンボジアン・ロック” ですから !!

ポルポト政権以前〜東南アジアの国々の中でも最も“サイケでロック”だったカンボジアのジェネレーション・ミュージック&歌謡をコンパイル!み〜んなポルポト以後には消えてしまったんですけど(何しろ国民の3分の1は消えてしまったんですから)、その黄金の60年代末〜70年代前半=シアヌーク殿下のもと、カンボジアがそこそこ自由だった頃の、ガレージ・バンド/グループ・サウンズ風歌謡音楽?が編集されて3本のCDになってたって知ってましたか!!まったくもって、オリエンタルでヘヴィーでサイケなギター・バンド&エキゾ歌謡目白押し、第2のエチオピークス・シリーズ?もしくは、東南アジア版"PEBLES COLLECTION" ?、あるいはカンボジア的“幻の名盤解放同盟”?とでも、呼ぶべきでしょうか。とにかく、とんでもないCDシリーズですね。
何と言いますか、初期サンタナのやる気のない練習風景にタイのモーラム系女性歌手が迷い込んだみたい、とでも言いますか、ゴールデンカップスが東南アジア巡業中に農村音楽に目覚めた、とでも言いましょうか...、なんとも形容困難な〜パンキッシュでオリエンタル、亜熱帯でサイケ、メリスマチックでビートフルなナンバーがギッシリ炸裂しているわけです!でも、どこか、聴いていると、気恥ずかしいような、懐かしいような感じを覚えるのは、同じアジアの血ゆえか、遠きにありてエキゾティック、というよりも、そこはかとない縁戚関係を感じるのも確か、ですね...。

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<1> 「カンボジアン・ロック」第3弾 ¥2650/現在のところシリーズ最新作です!で、一番、ヤングでサイケな曲が集められたような気がします。ディストーション&ワウワウ・ギターも鳴りっぱなし、タイトなエイト・ビートに木魚風?謎のパーカッションが絡んで、鋭角的なオルガン・サウンド&トボケたヴォーカル、そんなカンボジアン・ロックの基本線をキープした曲が並んでます。ドアーズ風、CCR風、R&B風、てなもんや三度笠風?などなど、ファー・オリエンタルなサイケ・ナンバーが、それぞれに男女歌手をフィーチュアーしつつ19曲。サーチャーズ“ラヴ・ポーション・ナンバー9”をパクリつつも、伊沢八郎風の歌いっぷり、ツェッペリンの“移民の歌”風イントロに続いて、いきなり都はるみ風女性ヴォーカルが絡む曲などなど、まったく、のけぞりますね。
<2> はシリーズ第1弾 ¥2650/やっぱり第1集だけあって、それなりに出来のイイ曲が集まってます。“カンボジアン・ロック”コレクション中、音楽的には最も聴くに耐える?選曲かも知れませんねえ。けれど、“プラウド・メアリー”のカヴァーもしくはパクリをもって披露される、過剰にソウルフルな女声ナンバーや、ラテン・ロック風のリズムに乗せてタイ田園歌謡にも似たキンキン女声に、民謡風男性コーラスがコール&レスポンスする“お座敷小唄”っぽい展開、ホーンズも導入、ブラス・ロック的なカチッとした展開ながら、歌は牧伸二風...、などなど、落とすところはバッチリ落としてくれます。ご安心下さい...、って。
<3> シリーズ第2弾/¥2650 こちらも、やっぱりスゴイことになっていますね。突然、冒頭は“ヘイ・ジュード”のカヴァーというか、パクリ、で、2曲目は驚くなかれ、ピンキーとキラーズ“恋の季節”です!まったくもって、キラーです。ほか、稲作田園調の“夢のサンフランシスコ”や、なぜかスカ・ビートもあります!
で、<4> は、まあ、このカンボジアン・ロック・シリーズとは直接には関係ないんですが、今現在、往年のカンボジアン・ロックのムードを現代的に再現しつつ活動続行中のグループ=デング・フィーヴァーのデビュー作です。在米西海岸のカンボジア系若手女性をリード・ヴォーカルに擁し、レトロかつエイジアンなロックを展開して一部で話題を呼んでいました、一昨年ぐらいの話ですけど。こちらも、カンボジアン・ロック・マニアは要チェックでしょうね。

続きまして、なんてったって、“カンボジア歌謡”ですから!

 

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ここからご紹介する4アイテムは、ポルポト以前にカンボジアで絶大な人気を誇ったという3人の歌手のコレクションCDです。<5> ¥2250 は、その3人、男性歌手=シン・シサームットを中心に女性歌手2人=ルス・スレイソテア&ペーン・ロンがデュオ、もしくはコーラスで共演した曲を集めたベストCD。しっかしこのジャケット、やったら顔が大きな人たちだったんですねえ...。というようなことはともかく、ケーン(日本の笙と同ルーツの楽器)やトロー(2弦の擦弦楽器)といった伝統楽器に加え、木琴やフィンガー・シンバルほか各種パーカッション、曲によってサックスやギター、ヴァイオリン、ピアノも聞こえるリズミカルな演奏に、どこかブッキラボーでいて甘く軽快な歌いまわしのシン・シサームット、ネーネーズのようなユニゾン・コーラス&ソロを聞かせるルス&ペーン、その歌唱スタイルは、やっぱりタイのモーラムやルークトゥン、イサーン系音楽などに近い感覚なのですが、そこにラテンや欧米風音楽の影響も散りばめつつ、先のカンボジアン・ロックよりはかなり古い感覚のダンス歌謡を楽しませてくれるCDになってます。おそらく60年代前半頃の録音じゃないでしょうか。真夏にクーラーなしで聴いたら、さぞかし頭溶けるだろうなあ、という、ゆらぎのある演奏を、ヒャラヒャラと鳴るケーンの音色が盛り立てて、聴き応え充分ですね。
(もともと、タイ音楽はクメール系音楽の影響下に発展したとされていますから、クメールの本拠、カンボジアの音楽にタイの音楽が似ていて当たり前、逆に、タイの音楽こそ、カンボジアの音楽に似ている、という言うべきだと、そういう考え方もあるようです。)
<6> ¥2250 ペーン・ロンのベストCDは、こちらはやや農村歌謡風とでも言いますか、<5> と、ほぼ同時期の録音かと思われますが、後半、ややロック的な演奏も登場します。ともあれ、トローとホーンズとハモンド・オルガン、そして木魚風のパーカッションが特徴的、全体にミディアムな調子の演奏をバックに、ペーン嬢の歌声は、インドのプレイバック・ソングを彷彿とさせる高音域に舞い踊ります。チャチャチャ/ラテン歌謡、モーラム風もあれば、汎アジア的と言ってもいい、日本の初期演歌にも通じる感覚も聞かせます。“リンゴ追分”を想わせる曲もあったりします。カンボジア歌謡の父とされ、作曲家でもあったシン・シサームットの妹的存在と謳われたペーン・ロン、このCDでもシンとのデュエットが何曲か聞けるわけです。
<7> ¥2250 ルス・スレイソテアのベストCD、こちらは60年代もかなり下った頃の録音集かと思われます。魅惑の熱帯夜ロカ・バラード集、とでも言いますか、エキゾかつエイジアンなムード満載、キュートでしんみりした曲想のナンバーが比較的に多くて、どこかバタくさくソウルフルでありつつ、ゆったりとしたメリスマをたたえたそのヴォーカル、なかなかの充実ぶりですね。なんと言っても女性歌手ナンバー・ワン人気を誇ったとされるルス、シンやペーンより一世代若く、シンに憧れて歌手を目指したということですが、若々しい感覚が都会性と結びつき、シアヌーク殿下の治世、プノンペンの月夜はかくありなん、といったロマンティックなムードに満ちたベストCDになっています。
<8> ¥2250 は、シン・シサームットとルス・スレイソテアのデュエット曲を集めたベストCDです。内容的には、テレサ・テンのマレイシア/ライフ録音の南方系リズム歌謡を彷彿とさせるような汎東南アジア歌謡デュオ・アルバムとなっています。60年代後半頃の録音でしょうか?伸びやかで張りのあるルスの歌声と、伝統的な唱法の継承を感じさせながらもリズミカルで軽快なシンの歌声が、カンボジア/モダーン歌謡の完成を告げているような充実ぶり、ホーンズにオルガン、ヴァイオリンに加えて、アコーディオンも聞こえるバックも、一貫性あるスタイルに結実していると感じさせます。...CD後半には、古い録音も収められてますが。
( その短い生涯に、100曲以上の歌を作りヒットさせ、1000曲以上の吹き込みをしたとされるシン・シサームット、アジア歌謡の巨人の一人としてそろそろ認知されるべき、という気もしたりして...。とはいえ、70年前後になると、これだけ汎東南アジア的な歌謡路線を極めたシン・シサームットも、思いっきりロック系のバンドをバックに歌い出してしまうワケで、それは、たとえて言うなら春日八郎がグループ・サウンズに鞍替え!みたいな転向とも言えるワケで、いったいこれはどういうワケなのか、ちょっとワケわかりませんねえ...。よっぽどカンボジアの一般庶民はロックへの親和性を潜在させていたとでも言うのだろうか?...とはいえ、米国に渡ったカンボジア難民のコミュニティーでは、シン・シサームットや他の人気歌手達の旧録音源に、勝手に音をかぶせて売っていた、という事実もあるそうですから、すべて現在聞ける音源が、オリジナルそのままかどうか判別不明ということも考慮すべきなんでしょうけれど、まあ、謎ですね。)

 

     

ところで、今現在のカンボジアはどーなってるんだ、という疑問が、当然、出てくるわけですが、お応えしましょう!そのうちに...。今はダメですけどねえ。今、リサーチしてる最中ですので、申し訳ないんですが、もう、ちょっと待って下さい、ね。上のような、見た目バッチリのDVD&CD各種入荷しておりますので、イイものをいずれピックアップしたいと思います。以前、中村とうようさんからカンボジア旅行土産でいただいた、とうようさんお気に入りの女性歌手新作も入荷中、と思われますが、いかんせん名前が読めませ〜ん、すみませ〜ん、ジャケット写真の顔で判断するしかないわけです。今度、代々木のカンボジア料理店行って読み方教えてもらってきま〜す。(DVD 各 ¥2550/ CD 各 ¥2050)

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